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便秘は菌活で解消できる?便秘を治すために菌活をすすめる理由

今や国民病とも呼ばれる便秘。厚生労働省の調べによると、国内で便秘に悩む人は480万人に及び、そのうち約320万人が女性と言われています。

毎朝トイレに行くけど、今日も出なかったと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

便秘になるとイライラや不快感、お腹の張り、肩こり、肌荒れなど、心身にさまざまな不調が起こります。そんなつらい便秘を改善する方法として、おすすめなのが菌活です。

なぜ便秘を治すのに菌活が有効なのか、どうすれば便秘を改善できるのかを詳しく見ていきましょう。

1. 便秘が引き起こす身体の不調

便秘になって便が腸内に長時間とどまると、毒素が身体に再吸収されてしまうため、さまざまな不調が起こります。

便秘が引き起こす身体の不調は、代表的なものだけでも、お腹の張りや腹痛、肩こり、イライラ、肌荒れなどがあります。

そもそも便秘とはどのような状態を指すのでしょうか。実は、便秘には明確な定義はありません。通常、1日1回排便があると考えられていますが、中には2〜3日に1回というペースの人もいれば、逆に日に2〜3回という人もいます。

便の回数や量には個人差があり、毎日便通がなくてもすっきり排便ができて本人が苦痛を感じないのなら便秘とは言えません。便秘かどうかの判断は、排便しても残便感やお腹の張りがある、排便時に苦痛があるかどうかがポイントです。

また、便秘は免疫とも深く関係しています。腸内は免疫細胞が集中しているため、便秘になって腸内環境が悪化してしまうと免疫力が低下します。

その結果、風邪を引きやすくなったり、病気や怪我が長引いたりする原因にもなってしまうのです。

さらに便秘が長引くと、血流が悪くなって全身に栄養が行き届かなくなり、代謝機能が落ちてしまうことから、肥満やむくみにつながることもあり得ます。「たかが便秘」と侮らず、早めに対処することが大切です。

2.菌活が便秘の改善に効果的な理由とは?

菌活が便秘の改善に効果的な理由とは、腸内の善玉菌を増やして排便を促す作用がある点です。

人間の腸には500種類以上・約500~1000兆個の菌が存在しています。腸内細菌は大別して、身体に良い働きをする「善玉菌」、悪い働きをする「悪玉菌」、どちらでもない「日和見菌」の3種類があり、互いの均衡を保っています。

しかし、ひとたびこのバランスが崩れて悪玉菌が優位な腸内環境に陥ると、腸の動きが鈍くなり、便を排出する力が弱くなるため、便秘になってしまうのです。便秘の状態が続くと、ますます悪玉菌が増えるという悪循環が生じます。

この負のスパイラルを断ち切るためには、善玉菌の働きを活性化して悪玉菌の増殖を抑制し、腸内環境を改善しなければなりません。

そこで登場するのが菌活です。身体に良い働きをする菌を取り入れて、腸内の善玉菌を増やします。腸内の善玉菌が増えると、腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)が活発になり、体内にたまった老廃物が体外へ排出されることで便秘解消が期待されます。

3. 便秘解消が期待できる菌活食材

便秘解消が期待できる菌活食材には、次のようなものがあります。
 
食材1)ヨーグルト
食材2)きのこ
 

食材1)ヨーグルト

ヨーグルトに含まれる乳酸菌には整腸作用があり、腸の活動を活発化して、食べ物の消化・吸収・排出までの一連の流れをスムーズにします。近所のコンビニやスーパーでも手に入りやすく、おすすめの菌活食材です。

ただし、その効果を得るには、自分に合った乳酸菌を選ぶことが重要です。

乳酸菌と言ってもさまざまな種類があり、人によって相性も異なります。まずは2週間ほど試してみて、効果がなければ別の菌が入ったヨーグルトを探しましょう。

どこでも手軽に手に入るヨーグルトは、何から試せばいいかわからないという方にはとてもおすすめです。
 

食材2)きのこ

きのこは漢字で「菌」と表されるように、菌活の代表選手と言えます。食物繊維が豊富なきのこを摂ることで、さらに排便をスムーズに導くことができるでしょう。1日100gを目安に取り入れてみてください。
 

 

菌活は続けてこそ意味がある

慢性的な便秘の人は、菌活を継続して行うことが大切です。少しの量でも構いません。毎日続けて、腸内環境を良好な状態に保ちましょう。さらに、善玉菌のエサになるオリゴ糖を一緒に摂ると相乗効果が期待できるでしょう。

4. まとめ

便秘になるとお腹が張るだけでなく、健康への悪影響も懸念されます。たかが便秘ぐらいと簡単に思わずに、早めに対策を立てましょう。菌活を行えば、善玉菌が優位な腸内環境へと変化し、排便がスムーズになることが期待できます。

整腸作用のある乳酸菌や食物繊維が豊富なきのこ類、善玉菌の好物であるオリゴ糖を積極的に取り入れて、便秘知らずの身体を目指しましょう。

監修:森下 竜一 先生

大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学寄附講座 教授

医学博士。1991年大阪大学医学部老年病講座大学院卒業後、米スタンフォード大学客員講師、大阪大学助教授を経て、2003年より現職。米国高血圧評議会Harry Goldbratt賞、日本医師会研究奨励賞、日本循環器学会佐藤賞、産官学連携推進功労者表彰産官学連携文部科学大臣賞、大学発ベンチャー2016表彰文部科学大臣賞などを受賞。

また知的財産戦略本部本部員、健康・医療戦略本部戦略参与、日本万博基本構想委員、内閣府規制改革推進会議委員などを歴任。

日本血管認知症症学会理事長の他、日本抗加齢医学会、日本遺伝子治療学会などで副理事長を務める。著書に「アルツハイマーは脳の糖尿病だった」(共著)など。

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