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タイプ別口臭対策!口臭を効果的に予防する方法

口臭を気にしている方はとても多く、ドラッグストアなどには多くの口臭ケアグッズが並んでいます。

ただ、ひとくちに口臭と言っても原因はさまざまで、一時的なものでおさまる場合もあれば、治療が必要なケースもあります。

今回は、口臭のタイプ別に応じた原因と正しい対策についてご紹介していきます。

1. 口臭の種類とタイプ別対策

口臭の種類には主に、「生理的口臭」「病的口臭」「心因的口臭」の3つがあります。それぞれの詳細と対策について見ていきましょう。

タイプ1)生理的口臭

生理的口臭とは、人間が日々新陳代謝を繰り返している中で自然発生的に起きる口臭です。

口腔内には約1000億(清潔な状態で)という細菌が存在しており、食品に含まれるタンパク質や脂質が栄養源となって、におい物質が作られます。健康な状態ではあまり強い口臭となりませんが、口腔内の状況によって、においを感じることがあります。

生理的口臭は、主に「寝起き」「空腹時」「食後」に起こりますので、それぞれ詳しくご紹介していきます。

【寝起き】

 

寝起きには、口の中がネバネバして不快な感じがする人も多いのではないでしょうか。これは、唾液の分泌量に関係しています。

日中は唾液の分泌が盛んなため、口腔内の細菌は洗い流されていますが、眠っている間は唾液の分泌量が少ないので汚れが残って細菌が増殖し、口臭物質がたくさん作られるのです。そのため、起床直後は口臭が強くなります。

寝起きの口臭は、歯みがきをしたり朝ごはんを食べたりすることで解消されます。

【空腹時】

 

空腹時の口臭にも唾液量が関わっています。食事をすると唾液の分泌量が増え、食べ物と一緒に細菌も飲み込まれます。

しかし、食べ終わってしばらくすると唾液の分泌量が減り、口腔内が中性からアルカリ性に傾いてきます。口の中がアルカリ性になると口臭が強くなるため、空腹時には口臭がしやすくなるのです。

食事をすれば口の中が酸性になり、口臭もおさまります。

【食後】

 

食後、特ににおいが強い食品を食べた後は、食品に含まれるにおい成分が原因で誰でも息がにおうものです。特に、ニンニクには口臭成分と同じ成分が含まれており、独特のニンニク臭を生み出します。

食べた直後のにおいは、ガムを噛んだり飴をなめたり口をゆすいだりすることで、ある程度消すことができます。焼肉やニンニクを食べた直後にはそうしたケアを行うと良いでしょう。

翌日までにおいが続く場合、腸から吸収されたにおい成分が、吐く息や尿、汗などに交じって体外に排出されていることが原因と考えられます。

これを防ぐためには、食事の直後に緑茶やハーブティーなどを飲んで、におい成分を吸収しにくくする働きを持つポリフェノールを摂取することが有効です。

タイプ2)心因性の口臭

心因性の口臭とは、疲労やストレスなど精神的なものが原因と考えられる口臭です。緊張したときなどに口が渇いた経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。

人間の体において、緊張やストレスと関係している自律神経は、唾液の分泌量をコントロールする役割を担っています。そのため、緊張すると唾液の分泌量が減少し、口の中がネバネバするなどして、口臭が強くなることがあるのです。

口臭の原因が疲労やストレスなどと感じる場合は、休息を取ったり気分転換をしたりして、心身をリラックスさせるようにしましょう。

 

タイプ3)病的な口臭

病的な口臭とは、口の中や全身のさまざまな病気が原因で起きる口臭です。特に、口臭が慢性化している場合は体のどこかに病的要素があると考えられるでしょう。

例えば口腔内の病気には、進行したむし歯や歯周病、ドライマウスなどがあります。むし歯や歯周病は自然には治りませんので、歯科医院でむし歯や歯周病の治療をすることが、口臭の治療にもなります。

口腔内以外の病気では、鼻や喉、呼吸器、胃腸の病気などが口臭につながりやすいです。思い当たる箇所がある場合は、それぞれ対応した科の医師に相談することが望ましいでしょう。

2. 普段からできる口臭対策

口臭対策にも症状によっていろいろな方法がありますが、ロイテリ菌を使った方法は、さまざまなタイプの口臭に効果が期待できます。

ロイテリ菌は、口腔内や胃、腸に留まることが期待でき、それぞれの菌環境を整える働きをします。

例えば、腸内の菌環境が整うと便秘の予防に繋がり、便秘によって生じる口臭を防ぐ事ができます。

このように、菌環境を整えることは、直接的・間接的に口臭対策に繋がります。しかも、健康にも繋がるため、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。

3. 慢性的な口臭とその対策

慢性的な口臭が気になる場合は、何らかの病気が疑われます。病気は歯周病など口腔内の疾患だけでなく、鼻腔の炎症や胃腸の病気の可能性もあります。

口臭の原因が判断しにくい場合はまず、口臭治療を行っている歯科医院で検査をして口臭の種類を診断してもらい、症状に適した治療を行いましょう。

4. 間違った口臭対策

間違った口臭対策には注意が必要です。最近では、口臭を気にする人が増えており、さまざまな対策の方法やケアグッズが出回っています。しかし、中には根拠のないものや、人によっては適さないものもあります。

例えば、口臭に影響するもののひとつである舌の汚れをきれいにする「舌の掃除」は、口臭対策として有効ではありますが、使う道具を間違えたりやりすぎたりすると、舌を傷付けて逆効果になることがあります。

自身の口臭タイプを知って正しくケアするためには、一度歯科医院で相談してみると良いでしょう。

5. まとめ

口臭には、生理的なものから心理的なもの、病的なものまでさまざまな種類があり、一時的ですぐにおさまるものもあれば、慢性化するものもあります。正しくケアするためには、それぞれのタイプに合わせた対策をすることが大切です。

ただ、自己判断ですると間違ったケアになってしまう可能性もありますので、口臭が気になる方は一度歯科医院で相談してみることをおすすめします。

監修:森下 竜一 先生

大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学寄附講座 教授

医学博士。1991年大阪大学医学部老年病講座大学院卒業後、米スタンフォード大学客員講師、大阪大学助教授を経て、2003年より現職。米国高血圧評議会Harry Goldbratt賞、日本医師会研究奨励賞、日本循環器学会佐藤賞、産官学連携推進功労者表彰産官学連携文部科学大臣賞、大学発ベンチャー2016表彰文部科学大臣賞などを受賞。

また知的財産戦略本部本部員、健康・医療戦略本部戦略参与、日本万博基本構想委員、内閣府規制改革推進会議委員などを歴任。

日本血管認知症症学会理事長の他、日本抗加齢医学会、日本遺伝子治療学会などで副理事長を務める。著書に「アルツハイマーは脳の糖尿病だった」(共著)など。

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