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口臭予防は体質改善が重要!今日から始められる口臭対策

友達や恋人、会社の同僚と話をしていて、ふと自分の口臭が気になることはありませんか。

口の臭いは自覚しにくいものですが、よほど親しい仲でもない限り、わざわざ指摘してくれる人もいません。

口臭はデリケートな問題なので、誰にも相談できずに一人で悩んでいる人も多いでしょう。

自信を持ってコミュニケーションが楽しめるようになるために、すぐに始められる口臭対策についてご紹介します。

1. 口臭とは?

口臭とは、口から吐く息が放つ不快な臭いのことです。

口臭を気にしている人の割合は、約80%にものぼると言われており、自分の臭いを自分で確かめるのは難しいため、余計にそう感じるのかもしれません。

口臭の原因は、生理的なものや、むし歯や歯周病、内臓疾患による病的なトラブルによるもの、食べ物によるものなどさまざまです。

2. 口臭はどうして起こるのか

口臭はどうして起こるのかをきちんと把握しておくことで予防が可能になります。口臭の原因になる要素は、大きく分類すると次のようなものがあります。
 
原因1)生理的口臭
原因2)病的口臭
原因3)食品由来口臭
 

原因1)生理的口臭

生理的口臭は誰にでもある口の臭いです。

朝起きた時や緊張している時、空腹時など、唾液の分泌が少なくなることで起こります。唾液には食べかすを洗い流す浄化作用や殺菌作用があり、口の中の細菌バランスを保つ役割があるからです。

唾液が減少してしまうと、口の中に細菌類が増殖します。これらの細菌が揮発性ガスを発生させるため、悪臭になるのです。歯みがきや食事をすれば臭いが弱まるので、特別な治療の必要はありません。
 

原因2)病的口臭

病的口臭とは、病気が原因で起こる口臭のことです。

病的口臭の約90%以上はむし歯や歯周病といった口腔内の疾患によるもので、それ以外の病気が関係しているケースはまれです。

病的口臭は臭いがきつくなることも多いのですが、その中でも歯周病由来の口臭はドブのような悪臭を放ちます。臭いの原因となる病気の治療を行うことが、口臭をなくす一番の近道と言えるでしょう。
 

原因3)食品由来口臭

食品由来の口臭とは、ニンニクやアルコールなど、臭いの強い飲食物や嗜好品による口臭です。

臭いの強いものを食べた時は、誰でも口臭がします。臭いの成分が血流によって全身を巡り、呼気や汗として排出される一時的なものです。

3. 口臭予防の具体的な方法

口臭予防の具体的な方法をご紹介していきます。
 
対策1)歯みがきで口の中を清潔に保つ
対策2)舌の汚れを取り除く
対策3)唾液を出す
対策4)歯科医によるケアを受ける
対策5)規則正しい生活を送る
対策6)歯周病対策をする
対策7)体質改善をする
 

対策1)歯みがきで口の中を清潔に保つ

歯みがきで口の中を清潔に保つことは、口臭予防の基本です。

歯ブラシを使って、口臭の原因となる細菌や汚れをしっかり取り除きましょう。歯ブラシだけで取り除けない部分には、デンタルフロスや歯間ブラシを使ってください。
 

対策2)舌の汚れを取り除く

舌の汚れを取り除くケアも大切です。

鏡を見て舌を出すと、白色や淡黄色の苔のようなものが付着していることがあります。これを舌苔(ぜったい)と言います。舌苔は死んだ細菌や粘膜上皮の細胞、食べかすなどからできていて、口臭発生の大きな原因になります。

舌苔が多くついている場合は、舌ブラシを使ってやさしく汚れを取り除きましょう。力を入れ過ぎると味覚を感じる器官を傷つけるので注意してください。舌苔は取り過ぎても口臭の原因になるので、ほどほどにしましょう。
 

対策3)唾液を出す

唾液には、歯や歯の間に付着した食べかすや歯こうを洗い流す「自浄作用」と口の中にいる細菌の増殖を抑える「抗菌作用」があります。

口の中が唾液で満たされるだけでも口臭予防に効果的です。

唾液をよく出すためには、しっかり噛むことが大切です。毎日の食卓に歯ごたえのある食べ物を増やし、よく噛んで食べることを心がけましょう。唾液をよく分泌させるために、キシリトールガムを噛むという方法もあります。
 

対策4)歯科医によるケアを受ける

日々の歯みがきだけでは、どうしても落としきれない汚れがたまっていきます。

取りきれない汚れは口臭の原因となるので、定期的に歯科医師によるメンテナンスを受けることをおすすめします。
 

対策5)規則正しい生活を送る

規則正しい生活を送ることは、意外にも口臭と関係があります。

慢性的な睡眠不足や不規則な生活によって自律神経が乱れると、唾液の分泌が減って口の臭いがきつくなります。十分な睡眠を取り、ストレス解消を心がけて、規則正しい生活を送りましょう。
 

対策6)歯周病対策をする

歯周病対策をしっかりとすることが大切です。

歯周病は口臭の大きな原因の一つです。歯周病菌の温床となっている歯こうや歯石を除去することは、口臭予防に効果的です。特に歯石は自分では取り除けないので、定期的に歯科医院でクリーニングしてもらいましょう。
 

対策7)体質改善をする

口臭を予防するために身体の外からケアすることも大切ですが、同時に内側からもケアすることが大切です。体質改善をして代謝や免疫力が高まることで、口臭が起こりにくい体質へ改善できます。

体質改善をする方法として、身体に良い働きをする善玉菌を体内に取り入れるやり方があります。善玉菌が優位な口内環境が整えば、口臭の原因となる歯周病菌やむし歯菌の働きを抑えられるでしょう。

善玉菌を優位にする方法として、ヒト由来の善玉菌を使ったバクテリアセラピーもおすすめです。口内由来の菌は口内細菌のバランスを整える働きがあり、むし歯や歯周病予防に加え口臭予防にも効果があると言われています。

4. まとめ

コミュニケーションに支障をきたす口臭は、一刻も早く解消したいものです。

その原因をきちんと把握しておけば、口臭を予防することができます。口臭の大きな原因となるむし歯や歯周病ができにくい口内環境を整えましょう。

監修:森下 竜一 先生

大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学寄附講座 教授

医学博士。1991年大阪大学医学部老年病講座大学院卒業後、米スタンフォード大学客員講師、大阪大学助教授を経て、2003年より現職。米国高血圧評議会Harry Goldbratt賞、日本医師会研究奨励賞、日本循環器学会佐藤賞、産官学連携推進功労者表彰産官学連携文部科学大臣賞、大学発ベンチャー2016表彰文部科学大臣賞などを受賞。

また知的財産戦略本部本部員、健康・医療戦略本部戦略参与、日本万博基本構想委員、内閣府規制改革推進会議委員などを歴任。

日本血管認知症症学会理事長の他、日本抗加齢医学会、日本遺伝子治療学会などで副理事長を務める。著書に「アルツハイマーは脳の糖尿病だった」(共著)など。

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