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病院に行くタイミングは?赤ちゃんの便秘、原因と対処法

赤ちゃんのうんちの様子は、大人とは大きく異なります。また、新生児の頃と離乳食が始まってからでも違います。赤ちゃんの便秘とはどのくらいの頻度で出ないことを指すのか、いつもどおりの食欲であれば様子を見てよいのかなど、判断に困ることも多いでしょう。

食欲があり、機嫌もよいようであれば大抵は心配いりませんが、週に2回以下の排便による便秘は病院を受診した方がよいとされます。この記事では、赤ちゃんのうんちの特徴や、便秘の原因、判断方法や対処のしかたをご紹介します。

1. 赤ちゃんのうんちは大人とどう違う?

赤ちゃんのうんちは、健康状態や成長のバロメーターです。まだ言葉でコミュニケーションを図れない分、体調を判断する上での大切なサインにもなります。まずは赤ちゃんのうんちの特徴を解説します。

 

新生児~4カ月頃まで

赤ちゃんは生まれてから最初の2~3日、ニオイのない、黒緑色のネバネバした「胎便」と呼ばれるうんちを出します。赤ちゃんが子宮の中で羊水を飲み、これらに含まれる分泌物などが赤ちゃんの腸の中に溜まり、排出されたものです。

胎便が出切った後は、うんちが出るようになります。母乳やミルクなど液体だけを摂取するため、うんちは常に水っぽい状態です。3カ月くらいからドロドロ状になってきます。一般的にミルクより母乳の方が、うんちが軟らかくなり、回数も多くなる傾向にあります。酸っぱいニオイがしますが、これは善玉菌のビフィズス菌がたくさんいる健康の証です。
 
うんちの回数は個人差が大きく、新生児期には1日に10回以上のこともありますが、徐々に回数は減ります。母乳やミルクの量が多くなるにつれて、うんちの量も多くなっていきます。
 
生まれてから離乳食の完了期頃のうんちの色は、黄褐色から、緑っぽいものもあります。緑は胆汁が酸化した色で、異常ではありません。特に母乳の場合、乳糖が乳酸菌の生成を促すため、うんちが酸性になりやすく、緑色になりやすい傾向があります。
 
また、3~4カ月の赤ちゃんのうんちによく見られるのが、白いつぶつぶです。これは、母乳やミルクに含まれている脂肪分がもとになってできた固まりで、心配ありません。ただし、うんち全体が灰白色の状態が長く続くようであれば、胆汁が分泌できていない状態(胆道閉鎖症)などの病気が考えられます。すぐに病院に行きましょう。風邪のウイルスでうんちが白色になることもありますが、その場合は風邪が治ればうんちの色も元どおりになります。

 

5カ月~8カ月ごろまで

離乳食が始まると、うんちの状態も変化します。離乳食を始めたばかりの頃は、一時的にゆるくなったり、硬くなったりする場合があります。7カ月を過ぎて離乳食中期の頃になると、だんだん形になってきます。色は離乳食が進むにつれて茶色っぽくなり、ニオイも大人のものに近くなります。

消化機能が未熟なため、食べたものがそのまま出てくることもあります。なお、ニンジンやトマトを食べた後の赤いうんちは、食べ物の色なので異常ではありません。ただし、血の混じった黒いうんちは消化管の出血が考えられます。強く泣いたり吐いたりして、いちごジャムのような色のうんちをした場合は、腸重積の可能性も。一刻を争う病気のため、すぐに病院に行きましょう。

 

9カ月~1歳頃まで

離乳食が完了期に近づくにつれ、消化能力が高まります。うんちの形やニオイはどんどん大人のものに近くなり、回数も1日1~2回くらいに落ち着きます。食べたものがそのまま出てくる状態も、少なくなってくるでしょう。

 

2. 赤ちゃんの便秘はどう判断する?

赤ちゃんは腸などの消化器官が未発達で、かつ筋肉量も少ないため、うんちを出す力が弱く、便秘になりやすいといわれています。

赤ちゃんのうんちの回数は個人差も大きく、一概に「何日出ないから便秘」と決められません。食欲があり機嫌良く過ごしており、過度にいきんだり痛がったりせずスムーズにうんちが出るなら、まずは問題ないと判断できます。

一般的に、母乳よりミルクの方が便秘になりやすい傾向にあるようです。母乳に含まれる乳糖は、腸内の善玉菌の生成を促し、排便をスムーズにすると考えられています。低月齢で排便回数が少なく、体重が増えない場合は母乳不足かもしれません。

また、離乳食が始まると、授乳だけの時よりも水分不足になりやすく、一時的に便秘を起こすケースがあります。さらに、硬いうんちで切れ痔を起こすと、痛みを嫌がってうんちを我慢し、便秘を起こす悪循環に陥ることも。うんちが硬くてスムーズに出なかったり、排便の時に痛がって泣いたりすることがあれば、ケアが必要です。排便回数が週に2回以下の時は、念のため病院を受診しましょう。

そのほか、先天的な異常で便秘になることもあります。腸の一部に神経細胞がなく、うんちを送り出せないため、重度の便秘や腸閉塞を起こす「ヒルシュスプルング病」などがあります。

3. 赤ちゃんの便秘の対処法


赤ちゃんのうんちの回数が少ない、うんちが出にくいなどの状態が気になるとき、ホームケアでできることを紹介します。

 

水分摂取

入浴や散歩の後、水や麦茶を哺乳びんやスプーンなどから飲ませましょう。離乳食を始めた赤ちゃんには果汁も有効です。果物の糖分やペクチンがうんちを軟らかくするため、りんご、みかん、プルーンなどの100%果汁を水で2倍~3倍に薄めて1日30mlを目安に飲ませると良いでしょう。ただし、りんごなどはアレルギーの可能性があります。初めての食べ物は、万一に備えて病院が開いている日の午前中に食べさせましょう。

 

おなかのマッサージ

おへそを中心に、時計回りに手のひら全体で「の」の字を書くようにおなかをマッサージします。手の熱を伝える程度の力で、やさしくマッサージしましょう。左足の付け根のあたりをマッサージすると、出口に詰まったうんちが出やすくなる効果があります。

 

綿棒浣腸

大人用の綿棒を使います。綿球を少し柔らかくほぐし、ベビーオイル(なければオリーブオイルでも代用可)をつけて1cmほど肛門に入れて、肛門の側面をなぞるように10秒ほどゆっくり回してから抜きます。肛門の周りを指でやさしく刺激するのも良いでしょう。綿棒浣腸には即効性があるため、おむつ替えシートなどを敷いておくと、いざというときに慌てなくて済みます。授乳や食事の30分後くらいに行うと、腸の働きが活発になっているため効果的です。

なお、回数は1日1回までにします。また、赤ちゃんが動くと粘膜を傷付ける恐れがあるので、足を押さえて行いましょう。

 

生活のリズムを整える

母乳やミルク、離乳食はできるだけ決まった時間に与え、毎日の生活のリズムを整えましょう。夜の就寝時間も決めておくことで、自律神経が整い排便のリズムができます。昼間は十分に遊ばせると、夜はぐっすり眠れるようになります。

 

食物繊維を与える

離乳食には、水分と食物繊維を多く含む食品を与えましょう。食物繊維は多過ぎても便秘や下痢につながるため、様子を見ながら進めます。さつまいものペースト、りんごのすりおろしなどのほか、ヨーグルトなどの乳酸菌を含む食品もおすすめです。便通に効果的な食べ物は、赤ちゃんによっても異なります。相性の良い食品を見つけておくと安心です。
 

乳児用便秘薬を与える

麦芽糖から作られた乳児用便秘薬を、ミルクに混ぜて飲ませたり、そのままなめさせたりします。麦芽糖のゆるやかな発酵作用が腸のぜん動運動を活発にし、おだやかな排便を促します。初めての服用時には、少ない量で様子を見るようにしましょう。その他、小児科医からは便自体を柔らかくする薬剤や便を出す力を強くする薬剤を処方されることもあります。

4. まとめ

赤ちゃんのうんちは、回数も形状も大人とは大きく異なるため、便秘かどうかの判断が難しいこともあります。食欲や機嫌がいつもどおりであれば、数日間様子を見ながら、この記事でご紹介したホームケア方法を試してみてください。それでも改善しない場合や、おなかが張って苦しそうだったり、排便の際に痛がっていたりするようであれば、病院での受診をおすすめします。

 
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監修:今西 洋介
(いまにし ようすけ)

■新生児科医、小児科医、小児医療ジャーナリスト

日本小児科学会専門医/日本周産期新生児学会・新生児専門医。小児公衆衛生学者。
富山大学医学部卒業後、都市部と地方部の両方のNICUで新生児医療に従事する。
Xアカウント「ふらいと」(@doctor_nw)やニュースレターを通じて、医療啓発を行いつつ子どもの社会問題を社会に提起している。

監修書籍に『新生児科医・小児科医ふらいと先生の 子育て「これってほんと?」答えます』『ぼくのかぞく ぼくのからだ』など

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