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口臭予防は歯医者さんに定期的に診てもらうことが重要

日本歯科医師会が行った調査では、80%の方が「口臭が気になる」と答えていまが、口臭が気になるときの対策として「歯科を受診する」と答えたのはわずか9.4%だけです。

この結果から見ると、多くの方が自己流で口臭対策をしていることがわかります。

しかし、自己流の口臭対策では、根本的な解決をすることは難しいので、歯科医院で診てもらった方がよいでしょう。

この記事では、口臭の原因について説明してから、具体的な口臭予防対策について紹介します。

1. 口臭を引き起こす原因

口臭を引き起こす原因として、さまざまなものが挙げられます。口臭の原因の約90%が口腔内にある場合がほとんどですが、中には身体の疾患によって引き起こされていることもあるので注意が必要です。

まず、5つの口臭の原因について説明します。
 
原因1)むし歯
原因2)舌苔
原因3)歯こう
原因4)歯周病
原因5)その他
 

原因1)むし歯

むし歯になると食べ物のかすが、むし歯になっている部分に溜まりやすくなるため、歯こうになり独特の臭いが発生します。

小さなむし歯では、それほど口臭はきつくありませんが、進行してくると次第に口臭が強くなり、神経まで浸食し神経が腐ると強烈な臭いがしてきます。
 

原因2)舌苔

舌苔は舌の表面に付着する細菌や口腔内の細胞が剥がれ落ちて堆積したもので、これが口臭の原因になることが指摘されています。
 

原因3)歯こう

歯こうは歯の表面に付着するかたまりで、ほとんどが細菌で、強い臭いがあります。長時間放置すると、歯石を作ってしまい、むし歯や歯周病の原因にもなります。
 

原因4)歯周病

歯周病は口臭の大きな原因のひとつです。

歯周病は初期段階においてほとんど痛みがなく、放置すると静かに進行していきます。

ちょっとした刺激で歯茎から出血することがよくあり、病気が進行すると歯茎からの出血に膿が混じりだし、口臭がひどくなっていきます。
 

原因5)その他

その他にも、飲食物・し好品による口臭、生理的口臭、病的口臭(口腔がん、鼻やのどの病気、呼吸器系の病気、消化器系の病気など)、ストレス(唾液の減少)による口臭なども原因として挙げられます。

2. 一般的な口臭予防

一般的な口臭予防として、歯をみがいたり、マスキング効果のあるガムやタブレットを食べたりしている方は多いでしょう。

市場でも口臭対策の商品が多くそろえられており、値段も手ごろなので手を出しやすいのですが、その場しのぎだけでの対策では、本当の口臭予防にはなりません。

例えば、歯みがきを毎日していても、歯科医院で定期的にケアしておかないと、歯こうができてしまう可能性は高いです。

歯こうは、むし歯や歯周病だけでなく口臭の原因にもなりますし、一度できてしまうとブラッシングだけでは落とすことは難しいため、個人だけで予防するのは難しいと言えます。

3. 自己流の対策が招く危険

口臭予防のために、自己流で間違った歯みがきを続けていると、磨き残しの歯こうや溜まった歯石によって、徐々に歯周ポケットを広げてしまいます。

そうなると、最終的には歯肉炎を引き起こして、強い口臭に悩まされることになる可能性があります。

また、スッキリした香りがするガムやタブレットを使用するだけでは、マスキング効果があるだけで、口臭の原因そのものに対して効果を発揮するものではありません。

自己流の口臭予防対策では、歯こうや歯石を残してしまいむし歯や歯周炎を引き起こし、かえってひどい口臭の原因になってしまうこともあるため、注意が必要です。
 

4. 口臭予防は歯医者さんに診てもらう

口臭予防のためには、自分では十分な除去が難しい歯こうや歯石を、歯医者さんできれいにしてもらうことが大切です。

口臭の原因はむし歯や歯周病によるものだけではなく、昔、治療した歯の金属が腐食してしまっている場合や、かみ合わせが悪いなども考えられるため、歯医者に診てもらう必要があるのです。

最近では、口臭外来を併設している病院が多くあります。口臭予防のためにも、一度、歯医者に口腔内の状態を診てもらいましょう。

5. まとめ

口臭を予防するための情報は、インターネット上で多く見つけることができます。しかし、それらの情報が確かなものかどうかは、専門医でないと分かりません。

口臭にはたくさんの原因が考えられるため、きちんと歯医者に診てもらうことがとても重要です。

間違った判断でむし歯や歯周病を放置してしまい、歯を失ってしまわないように、口臭が気になる前に診てもらいましょう。

監修:森下 竜一 先生

大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学寄附講座 教授

医学博士。1991年大阪大学医学部老年病講座大学院卒業後、米スタンフォード大学客員講師、大阪大学助教授を経て、2003年より現職。米国高血圧評議会Harry Goldbratt賞、日本医師会研究奨励賞、日本循環器学会佐藤賞、産官学連携推進功労者表彰産官学連携文部科学大臣賞、大学発ベンチャー2016表彰文部科学大臣賞などを受賞。

また知的財産戦略本部本部員、健康・医療戦略本部戦略参与、日本万博基本構想委員、内閣府規制改革推進会議委員などを歴任。

日本血管認知症症学会理事長の他、日本抗加齢医学会、日本遺伝子治療学会などで副理事長を務める。著書に「アルツハイマーは脳の糖尿病だった」(共著)など。

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