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歯周病を予防する5つの方法とやってはいけない3つの行動

歯周病は自覚症状に乏しく、静かに進行していく病気です。

そのため、気づいた時にはかなり進行していたというケースが多く見られます。治療せずに放置していると、最終的には大切な歯を失ってしまうことになりかねません。

そういった事態を避けるためにも、症状が進行してから慌てて治療するのではなく、日頃から予防に努めることが大切です。

今回は、歯周病の予防に役立つ方法とできるだけ避けたいNG行動についてご紹介していきます。

1. 歯周病とは

歯周病とは、歯を支えている歯ぐきや骨が壊されていく病気です。

初期段階での自覚症状はほとんどなく、気付いた時には悪化していることも少なくありません。痛みもなく進行して、最終的には歯が抜け落ちてしまいます。

歯を失う原因の80%以上は、歯周病もしくはむし歯によるものと言われていますが、歯周病の恐ろしさはそれだけではありません。心疾患や糖尿病といった命に関わるような病気にも影響を及ぼすことが明らかになっています。

歯周病の直接的な原因は歯こうで、歯の表面に付着している細菌の塊のことです。

歯こうには歯周病の原因となる菌が生息しており、その菌によって歯肉の延慶が引き起こされます。

歯周病を予防するには、歯周病の原因になる歯こうを取り除くことが基本で、口腔内の環境や生活習慣を改めて、歯周病を悪化させるリスクをできるだけ少なくすることがポイントになります。

2. 歯周病を予防する方法

歯周病を予防する方法をご紹介していきます。歯周病は進行すると歯を失いかねない恐ろしい病気ですが、適切なケアをすれば予防することができます。

そこで、歯周病を予防する5つのポイントをご紹介してきます。

ポイント1)歯ぐきの状態をチェックする
ポイント2)歯みがきで歯こうを取り除く
ポイント3)歯周病ケアに適した歯ブラシを選ぶ
ポイント4)間食を控える
ポイント5)定期的にプロフェッショナルケアを受ける

 

ポイント1)歯ぐきの状態をチェックする

歯周病は自覚症状が少ない病気です。しかし、初期の段階で症状が全くないわけではありません。わずかに歯ぐきの腫れを認めることができます。鏡を見て、歯ぐきの状態を確認してみましょう。

健康な歯ぐきは引き締まったピンク色をしていますが、炎症を起こしていると赤く腫れたりぷよぷよしたりしています。また、程度は軽いですが口臭や口の中のねばつきを感じることもあるようです。

 

ポイント2)歯みがきで歯こうを取り除く

歯みがきで歯こうを取り除くことは、歯周病予防の基本です。

歯こうがつきやすい歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目、かみ合せの部分を意識して歯みがきしましょう。

歯ブラシの毛先を歯にしっかり当て、1〜2本ずつ丁寧にブラッシングしてください。

歯間ブラシやデンタルフロスを使うとさらに効果的です。

 

ポイント3)歯周病ケアに適した歯ブラシを選ぶ

歯ブラシの選び方一つで、歯みがきの効果が変わってきます。

奥まで届きやすい毛先が小さめの歯ブラシを選びましょう。毛先が硬いと歯ぐきを傷つける恐れがあるので、やわらかめのタイプがおすすめです。

 

ポイント4)間食を控える

間食を控えると、口の中が汚れている時間が短くなり、歯周病菌などの細菌類が繁殖しにくくなります。

甘いものは歯にくっつきやすく、歯こうの原因になるので、お菓子やジュースをだらだら飲み食いしないよう心がけましょう。

歯こうが歯石となった時に、歯周病菌が繁殖しやすいと言われています。

 

ポイント5)定期的にプロフェッショナルケアを受ける

定期的に歯科医によるケアをすることも大切です。

自分では落としきれない歯こうや歯石は、定期的に歯科医院でクリーニングしてもらいましょう。正しい歯みがきの方法や歯ブラシの選び方も指導してもらえます。

3. できるだけ避けたいNG行動

避けておきたいNG行動はいくつもありますが、主なものは次の3つになります。

NG行動1)タバコを吸う
NG行動2)ストレスをため込む
NG行動3)睡眠不足

NG行動1)タバコを吸う

年数と本数によりますが、タバコを吸う喫煙者は非喫煙者に比べて、歯周病になるリスクが2~8倍も高くなると言われています。

喫煙者は歯ぐきの腫れや出血といった歯周病の症状が歯ぐきに現れにくいため、気付かないうちに症状が進行する恐れがあります。

NG行動2)ストレスをため込む

ストレスをため込むと、免疫力が低下して、歯周病が悪化しやすくなると言われています。

ストレスで唾液が少なくなり、口の中にいる歯周病菌が増殖すれば、結果的に歯周病の進行を助長することにもなりかねません。

NG行動3)睡眠不足

睡眠不足も免疫力に大きな影響を及ぼします。

免疫力が低下すると感染症にかかりやすくなるため、歯周病の感染や進行を促す可能性があるのです。十分な睡眠をとって、規則正しい生活を心がけることが大切です。

4. まとめ

歯周病は知らず知らずのうちに進行し、悪化すると歯を支えている歯ぐきや骨を壊して、最悪のケースでは歯を失うこともある怖い病気です。

初期の段階では自覚症状がほとんどないため、気づかないうちにじわじわと進行します。

歯周病から口の中を守るために、毎日の歯みがきと歯科医のケアを両立して、歯周病菌の温床となる歯こうをしっかり取り除きましょう。

同時に、生活習慣を見直すことも重要なポイントです。

監修:森下 竜一 先生

大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学寄附講座 教授

医学博士。1991年大阪大学医学部老年病講座大学院卒業後、米スタンフォード大学客員講師、大阪大学助教授を経て、2003年より現職。米国高血圧評議会Harry Goldbratt賞、日本医師会研究奨励賞、日本循環器学会佐藤賞、産官学連携推進功労者表彰産官学連携文部科学大臣賞、大学発ベンチャー2016表彰文部科学大臣賞などを受賞。

また知的財産戦略本部本部員、健康・医療戦略本部戦略参与、日本万博基本構想委員、内閣府規制改革推進会議委員などを歴任。

日本血管認知症症学会理事長の他、日本抗加齢医学会、日本遺伝子治療学会などで副理事長を務める。著書に「アルツハイマーは脳の糖尿病だった」(共著)など。

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