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口臭対策は体内から!体の中から根本的な解決を。

口の中は清潔にしていて、虫歯や歯周病などもないはずなのに、口臭が気になるという方もいるのではないでしょうか。

実は、口臭の原因はお口の中だけにあるとは限らず、他の部位の問題が影響している場合があるのです。

そこで今回は、口臭の原因となる部位の中でも、特に胃と腸について可能性のある病気や状態を挙げ、日常的にできる予防策や、どうしても口臭が気になる時の一時的な対策をご紹介していきます。

原因は口の中とは限らない

口臭の多くは、唾液分泌量の低下や歯周病など、口の中の問題が原因となっていますが、それだけではありません。

時には、ストレスや疲労の蓄積、冷え性などが影響していたり、身体の一部が原因になっていたりすることもあります。

特に、鼻や喉、呼吸器、胃腸などは、口臭が気になった時に注意すべき部位と言えます。

 

口臭の原因となる胃の病気

口臭の原因となる病気を起こす部分のひとつが胃です。口腔内に口臭の原因が思い当たらない場合、胃の病気を疑ってみる必要があります。

・胃炎
・胃がん
・逆流性食道炎

 

胃炎

胃炎とは、胃の粘膜に炎症が起きることです。胃炎になると胃酸が出にくくなり、食べ物が消化されないまま胃に残ってしまいます。

そうすると、腸ではなく、胃で発酵が起きてしまい、その発酵臭が腐った卵のような口臭となって現れることがあります。

胃炎の原因として、暴飲暴食のほか、喫煙やストレスなどの生活習慣の問題があげられます。日常生活の中で意識するだけで予防できるので、お酒やたばこをとり過ぎたりストレスをためたりしないよう気を付けましょう。

 

胃がん

胃がんになると、特有のにおいが口臭として現れます。がん細胞の増殖時や壊死によってにおいが発生し、そのにおい成分が血液の中に吸収され、肺を通して排出されるという仕組みです。

胃がんは、塩分過多や野菜不足の食生活を送っている人、喫煙をしている人がなりやすいと考えられています。

自覚症状がほとんどないため、口臭は胃がんを疑う貴重な症状のひとつと言えます。日頃から健康的な生活を心掛けるとともに、定期的に検診を受けて予防に努めましょう

 

逆流性食道炎

逆流性食道炎とは、胃液が食道に逆流してしまい、食道の粘膜が炎症を起こしてしまう病気です。胃液は強い酸を含んでいるため、胃液が食道に流れ込むと酸っぱいにおいが喉の方まで上がってきて、口臭となります。

逆流性食道炎が原因の口臭は、ツンとする酸っぱいにおいと胃のにおいが混ざり、かなり不快なにおいとなってしまいます。

逆流性食道炎は、日常生活の乱れが原因で起こります。ストレスをためないことと胃の負担になるような食生活をしないことで予防できますので、意識しておきましょう。

 

腸による原因

腸が口臭の原因となるのは、善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れて悪玉菌が増加し、腸内環境が悪化している場合です。

腸内で悪玉菌が発生する時に腐敗したガスが腸の中に充満するのですが、このガスが血液の中に吸収されて血管を通じて全身に巡り、肺に到達すると吐く息に混じって口臭を引き起こすのです。

腸内環境を悪化させる原因は、食生活の乱れや運動不足、ストレスなどです。腸内環境が悪化すると便秘になりやすいため、便秘の人は口臭が起こっている可能性も高いです。

日頃から栄養バランスのとれた食生活や適度な運動、ストレス解消などを心掛けることが、腸内環境を整えて口臭を防ぐ対策になります。

一時的な口臭対策

一時的な口臭は時間が経てば解消されますが、人に会う時などにおいが気になる場合は、香料や消臭成分によるマスキング効果が得られるアイテムを使用して、応急処置的な対策を行いましょう。

例えば胃の病気や腸内環境の悪化などでなくても、ニンニクなどにおいが強いものを食べた時には、体の中からにおうことがあります。

最近はスプレーやマウスウォッシュ、ガム、フィルム、タブレットなど、さまざまな口臭ケアグッズが販売されていますので、使用場面に合わせて使いやすいものを選ぶと良いでしょう。

まとめ

口臭の原因は口の中だけにあるとは限りません。

胃の病気や腸内環境の悪化により口臭を引き起こすこともありますが、これらの多くは日常生活の乱れからくるものなので、偏った食生活やストレスには注意しましょう。

一時的ににおい対策をしたい場合には、マスキングアイテムを使用することをおすすめします。

監修:森下 竜一 先生

大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学寄附講座 教授

医学博士。1991年大阪大学医学部老年病講座大学院卒業後、米スタンフォード大学客員講師、大阪大学助教授を経て、2003年より現職。米国高血圧評議会Harry Goldbratt賞、日本医師会研究奨励賞、日本循環器学会佐藤賞、産官学連携推進功労者表彰産官学連携文部科学大臣賞、大学発ベンチャー2016表彰文部科学大臣賞などを受賞。

また知的財産戦略本部本部員、健康・医療戦略本部戦略参与、日本万博基本構想委員、内閣府規制改革推進会議委員などを歴任。

日本血管認知症症学会理事長の他、日本抗加齢医学会、日本遺伝子治療学会などで副理事長を務める。著書に「アルツハイマーは脳の糖尿病だった」(共著)など。

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